意外と近くに狂気というものは存在している.

5年半前の21歳の時に書いていた日記をここに振り返る. フランスへの留学は辛かった. そして, 焦っていた.
 
自分のケアをきちんとしていないと, すぐに自分がコントロールできなくなる. 自分と向き合い, 自分の欲することを確かめ, 適度にガスを抜いていく. そう, 自分カウンセリングだ.

自分の故郷とは異なる国で暮らしている外国人というのは, 一種の言語障害者と同じだ, 周りに迷惑ばかりかけている. ただ, ひとつ違うのは, 障害を努力で克服できるということ. だから, 話せる人はみんな努力している. 汗と涙を流しながら. だから, 日本にいる外国人を尊敬しなければならない.

人生というものは, バスケットボールのシュート練習のようなものかもしれない.
ゴールにボールを入れるための, 理想のフォームを追求していくこと. 実際には, フィールド上に自分が生まれ, 最初は何をすれば良いのか分からない.
徐々にボールを持つことを覚え始め, 周りの人に教わりながら, 近くにあるゴールにシュートをねらい始める. 最初は自分のフォームがぐちゃぐちゃなのに気がつかない.
 
やってもやっても全然入らないことに気がついた時, 何がダメなのか初めて考え出す. 参考にするのは, シュートを常に決めている人間だ. 彼の形の美しさ, 冷静さ, 無駄のなさに目を向ければようやく気づくだろう. これは才能でやっているのではない, 努力して自分を保っているのだと.
 
それから, 自分がどうしてきたか振り返って考える. 何を整えれば良いのかを問う. それは, 日々のコンディションに気を配り, 自分の一本一本のフォームに注意を向け, 分析することだ. ただ, 最高のフォームがなんなのかは分からない.
 
実際には, 試行錯誤を繰り返すことによって学べるだろうが, もっと早く習得する方法もある. 先人が"良し"としたフォームをそのまま真似することだ.
 
"左手はそえるだけ"である.