300kmの隔たり

仕事を終え, 工場の構内を歩いていると, 暗い雨の中遅番の従業員の方々が門から続々と入ってくる. タンクから水蒸気が立ち昇り, 煌々したライトがそれを照らしている.
 
 
彼女と電話した.
 
僕は, "遠距離で寂しい?かもしれないが, 今後はもっと頻繁に会いに行くようにするのでとりあえずこのまま続けてみよう"と僕は最大限の希望を込めて言った.
 
彼女は"逆に君に無理をさせてしまっているんじゃないかと思っていた. 私は東京にいて, 新しい土地で寂しいのは君の方だから..."と彼女は言った. .
 
実は今朝, 昨夜答えのなかったLINEの返事が返ってきて, 僕は心から安心していた. 遅くなっても返事は必ず返してくれるところは彼女の誠実さだと思う. そのことに僕はなぜか非常に感謝を感じていた.
 
客観的にみて, 僕らの立場は対等ではなく, 僕の押しがなければ崩れてしまう関係だと思う. それなのになぜ彼女にこだわるのだろうか..
 
それは, 僕はいま彼女から得られる誠実さに満足しているし, 彼女がその立場を悪用しないことを信じているからだ.
 
彼女とは建設的な生き方をしていける気がするのだ. そう信じている.