カミュ ペストについて
la peste, (2021.01.23)
アルジェリアのオラン市で起こった架空のpandemicについてのドキュメンタリー風作品.
特に, 物語中盤から仲間たちが結束してペストに立ち向かう感じがいい.
物語で誰が最後に生き残っているのか?という好奇心で読み進められる.
"一同, 脱帽!"と多少滑稽に語る小役人グランを, 最後まで人間的に描いているところにも好感が持てる.
アルジェリアの街の精細な自然描写がいい
印象に残ったセリフ
p431, "一人の人間を愛するということは大したことではないこと, 愛というものは決してそれ自らの表現を見出しうるほど力強いものではないこと, を彼は知っていた."
"ペストと生とのかけにおいて, およそ人間が勝ちうることのできたものは, 知識と記憶であった."